神経細胞は高分子液晶か?
【研究キーワード】
神経 / 高分子液晶 / 偏光 / 配向 / 相転移
【研究成果の概要】
神経細胞の中央にあるニューロンフィラメントは配向した棒状高分子の束であり、それを覆う多層の脂質膜構造は強誘電性の高分子液晶と類似する。神経伝達する波を膜伝搬するソリトン波とするニューロン表面波仮説も、神経細胞全体が液晶であれば説明がつく。このように神経細胞が高分子液晶であることを示唆する報告は数多くあるのに対し、実証研究はほぼない。そこで本研究では、神経細胞へ電場印可し、光学特性や電気特性の解析から高分子液晶であるかを問うことを目的としている。
本年度は、ヤリイカやスルメイカを解剖して神経軸索を採取し、それを偏光顕微鏡下で観察することにより、神経軸索に沿った光学異方性を調べた。その結果、神経軸索に沿って大きく2つに分けられる層構造を持つこと、その光学特性は場所により異なることが分かった。さらに、この光学特性を生みだす生体高分子を特定するため、マイクロキャピラリーにより分子の採取を試みた。解析途中であるものの、2層それぞれの部分に局在する分子の特定が可能となる予定である。
【研究代表者】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2021-07-09 - 2023-03-31
【配分額】6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)