片麻痺患者の起立動作の回復過程を計測する手すりの開発
【研究キーワード】
手すり / 起立動作 / 片麻痺 / 機械学習 / 片麻痺患者 / リハビリテーション / 立ち上がり動作 / 筋シナジー / 福祉用具 / IoT
【研究成果の概要】
本研究では脳卒中や脳梗塞後の片麻痺患者を対象に,起立動作中の手すりにかかる力を計測することができる手すりを開発し,手すりにかかる力から使用者の運動機能を推定する手法を確立することを目的としている.2021年度までの研究では片麻痺患者15名に研究に参加してもらい,1-2か月おきにのべ32回の計測実験を行った.使用者の運動機能は臨床で用いられているFMAと呼ばれるスコアをもとに重度か中等度な運動障害を有しているとした.
手すりにかかる水平方向の力においてピークの力の大きさや手すりにかかる平均の力,ピークを取る時間,手すりに大きな力がかかり始める時間などの特徴量を算出し,これらの特徴量から使用者の運動機能が推定できるか機械学習のモデルから検証した.その結果として,使用者の運動機能を80%以上の正解率で判定できることが分かった.またリハビリテーションを経て運動機能が改善している患者においてはそれらも正しく推定できることが分かった.
このことから,今までは運動機能を理学療法士などが判定していたのに対して,本システムでは手すりを用いて数回の起立動作を行うのみで運動機能の判定が行えるという優位性を有する.またこのように自身の運動機能の改善の度合いや回復の過程を患者自身が簡便に知ることができるため,リハビリテーションに対するモチベーションが向上することが期待される.今後はさらに運動機能の詳細な診断や患者に合わせたリハビリテーションの提案が行えるようにしていく.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
淺間 一 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 教授 | (Kakenデータベース) |
宮井 一郎 | 社会医療法人大道会(神経リハビリテーション研究部) | 神経リハビリテーション研究部 | 部長 | (Kakenデータベース) |
服部 憲明 | 社会医療法人大道会(神経リハビリテーション研究部) | 神経リハビリテーション研究部 | 研究員 | (Kakenデータベース) |
下田 真吾 | 国立研究開発法人理化学研究所 | 脳神経科学研究センター | ユニットリーダー | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2019-06-28 - 2023-03-31
【配分額】6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)