長期間の身体運動トレーニングに対する消化・吸収系機能の適応過程の解明
【研究キーワード】
消化・吸収系機能 / 持久的トレーニング / 超高糖質食 / 胃排出速度 / ラット / SGLT1 / GLUT2 / アミラーゼ / トレーニング / 消化・吸収
【研究成果の概要】
食事によって摂取した栄養素は、胃や小腸で消化・吸収され、体内の様々な臓器へと届けられる。したがって、食事による効果は、この消化・吸収系能力の影響を強く受けることになる。これまで、消化・吸収系機能が長期間の身体運動トレーニングによってどのような影響を受けるのかということに関しては、ほとんど明らかとなっていなかった。昨年度までの研究において、長期間の身体運動トレーニングにより膵臓における消化酵素および小腸における糖輸送体が増加することや、トレーニングを行いながら超高糖質食を摂取することで、膵臓の消化酵素の適応がさらに高まることが明らかとなった。本年度の研究では、胃から小腸への排出速度に関して検討を行った。その結果、超高糖質食を摂取しながら、トレーニングを行ったラットでは、一過性の運動終了時点において、運動開始前に投与した糖質溶液の胃内残留量が少なくなること、すなわち、運動中における糖質溶液の胃排出速度が促進されるという結果が得られた。以上の結果から、長期間のトレーニングおよび超高糖質食の摂取により、膵臓や小腸だけではなく、胃の機能にも変化が生じる可能性が示唆された。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)