眠気による交通事故の発生要因と対策に関する系統的研究
【研究分野】精神神経科学
【研究キーワード】
精神生理学 / 交通事故 / 睡眠衛生 / 睡眠時無呼吸症候群 / 睡眠障害 / 事故 / 交代制勤務 / qualitiy of life / 夜型志向 / 居眠り運転 / 睡眠時無呼吸 / 対処法 / 仮眠 / カフェイン / 職業運転手 / 過眠症 / 運転事故 / 睡眠時呼吸障害 / 反復睡眠潜時検査 / スクリーニング
【研究成果の概要】
一般ドライバーでの、居眠り運転既往を従属変数とした場合、夜間睡眠時間の短縮(6時間未満)、月間走行距離が2000km以上であること、一回の走行時間が平均60分以上であること、常習性いびき/無呼吸の存在が、有意な関連要因となった。このことから、睡眠負債の存在と睡眠時呼吸障害の存在が、居眠り運転発現に関与している可能性が推定された。また、月間運転距離が長く、かつ1回ごとの運転時間が長いドライバーについては、居眠り運転発現リスクと、これを抑止するための方策について、積極的な啓発を行うことが必要と考えられた。2.3400名の公共機関の運転手に対し、自覚的な眠気の存在(Epworth sleepiness scale;11点以上)する運転者では30%以上が交代性勤務により眠気を生じていること、SDBの有病率が3.1%で、この約半数が病的眠気を生じていることが明らかになった。交代性勤務への対策の強化と、SDBスクリーニングの重要性が明らかになった。また、非職業運転手では、眠気を催すような状況(前夜の睡眠不足ならびに夜勤後、長時間運転)が、対処行動として仮眠を取ることの関連要因になっていた。一方、職業ドライバーでは、過去に眠気と関連した事故の既往があることのみが、仮眠の関連要因であった。非職業運転手では、眠気発現ないしこれを予測することによって仮眠を取っていることが伺われたが、職業運転手では事故経験が無い限り、眠気を我慢して運転を続けてしまう傾向がある可能性が推測された。
【研究代表者】