機械学習を用いた東アジア数理調和思想の実証的研究と共生倫理の検討
【研究キーワード】
東アジア / 術数学 / 調和解析 / 平均律 / データ駆動科学 / 共生倫理 / 非線形共鳴 / デバイス / 機械学習 / 古琴 / 暦法 / マインドフルネス(八正道・正念) / 曼荼羅 / 仏像・彫刻 / モルフォメトリクス / 身体運動
【研究成果の概要】
本研究は東アジア術数学とそれに基礎づけられた東アジア音楽の調和構造をデータ駆動科学を活用して明らかにすると共に、新知見をもとに調和の解析や新たなシステム創成に洋の東西を止揚した成果を生み出そうとする挑戦的研究である。
第二年次は調査、理論、解析、実証、システム開発、共生倫理検討の各面でいずれも予想を超える成果が得られた。これらを連立し更なる研究の深化、具体化と後継プロジェクトへの大胆な展開を企図してゆきたい。
2019年度に立案された本研究プロジェクトは、2020年度の開始当初、新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延のため、国際共同研究の推進をセキュアかつソーシャルなものとする予想外のスタートを切らざるを得なかった。だが、日韓中3か国を結ぶ旅費の執行が困難になった分、セキュアかつソーシャルなシステム開発という新たな課題に挑戦することとし、被検者測定のための測定デバイスとして、永年の共同研究者・白川英樹筑波大学名誉教授(2000年ノーベル化学賞受賞)のご指導のもと、ウイルスフリーな測定環境を実現するピエゾ聴覚アクチュエータの開発に取り組んだところ、研究開始直後に2次元電子系の量子化ステップ電流の発見(LEE&ITO)という予想外の成果を得る事が出来た。
第二年次はこうしたデバイスも活用しつつ、本来の機械学習・データ駆動科学を活用した東アジア術数学のテキストベースならびに東アジア音楽調和の解析、東アジア主要大学を結ぶ術数学ネットワークの構築と原資料目録の作成・デジタイズ、先行研究で死角となっていた課題の発見と理論実験双方からのメカニズム解明、研究法自体の刷新に取り組み、さいわい各々で顕著な結果を得る事が出来た。特にデータ解析強化のため北海道大学の青木直史助教がメンバーに加わった。グループ全体で論文19報、学会登壇22件の成果が得られ、シンポジウムも開催した。具体的成果は次項に記す。
【研究代表者】