インスリン/IGFシグナルを修飾するIRSのモノユビキチン化の制御機構の解明
【研究分野】医化学一般
【研究キーワード】
インスリン / IGF / シグナル伝達 / インスリン受容体基質 / ユビキチン / 糖尿病 / がん / インスリン様成長因子 / Nedd4 / USP / USP15
【研究成果の概要】
インスリン/インスリン様成長因子(IGF)は動物の代謝調節や成長に重要である。これらが標的細胞に作用して起こす細胞内シグナルに異常が生じると、糖尿病やがんの発症につながる。本研究では、シグナルを仲介するインスリン受容体基質(IRS)のモノユビキチン化レベルが複数のユビキチンリガーゼと脱ユビキチン化酵素によって制御され、新しいメカニズムでシグナル強度を調節していることを発見した。さらに、これらの酵素がIRSを基質として認識する分子機構や、酵素活性の調節機構の一端も明らかにした。
【研究の社会的意義】
我々は以前、インスリン/IGFの細胞内シグナルがIRSのモノユビキチン化によって制御されることを独自に発見していた。本研究では、この過程に関与するユビキチンリガーゼと脱ユビキチン化酵素を同定し、その作用機序を調べることで、研究を進展させた。本研究は、インスリン/IGFシグナルの新たな制御メカニズムの発見として、学術的価値が高い。また、同定した酵素を標的とすることで、インスリン/IGFシグナルを修飾する方法を開発できる可能性を示すことができた。この開発が成功すれば、糖尿病やがんの新しい治療法の開発につながると期待される。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2017-04-01 - 2021-03-31
【配分額】4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)