包括的統合的アプローチによる日本人早期膵癌の高精度診断の具現化
【研究分野】消化器外科学
【研究キーワード】
早期膵癌 / 遺伝子多型 / 環境 / バイオマーカー / 腫瘍遺伝子 / 膵癌 / 先制医療 / 癌代謝 / 環境因子 / 遺伝子的多型因子 / 先端計測 / バイオマーカー
【研究成果の概要】
本研究では、全国のハイボリュームセンター(21施設)でネットワークを構築し、極めて発見の難しい早期(ステージI)膵癌症例の臨床検体を収集した上で、膵癌を早期発見するための新規診断法の開発を行った。その結果、末梢血中に存在するマイクロRNAのメチル化率が早期膵癌で上昇していること、および唾液中の2種類の代謝産物の量が早期膵癌で有意に増加していることが示された。また、本邦の膵癌患者で特徴的な遺伝子多型も同定した。これらの方法は早期膵癌を高精度に診断するためのプラットフォームとなりえるものであり、膵癌による死亡率の劇的低下に貢献することが期待される。
【研究の社会的意義】
これまで早期癌の状態で発見することが難しく、それゆえに研究するための検体や臨床情報すら不足していたステージI膵癌の臨床像、遺伝子/蛋白発現プロファイルが明らかになった。また、低侵襲で正確に早期膵癌を診断する方法を樹立することができ、本方法をさらに実臨床で検証すれば、本研究の成果が膵癌の早期発見と予後改善に寄与出来るものと期待される。
【研究代表者】