免疫不全豚を用いた結節型肝癌実験モデル作成と血流動態-病理相関の検討
【研究キーワード】
肝癌 / 焼灼術 / 実験モデル / 造影CT / 免疫不全豚 / 動物実験モデル / 画像 / 病理 / 肝細胞癌 / 免疫不全ブタ
【研究成果の概要】
肝癌の低侵襲性治療は,ラジオ波,マイクロ波焼灼術に加えて,凍結治療も適応拡大が期待されている.治療の有効性を検討する大動物担癌モデルは存在しない.我々は体細胞クローン技術により作成した免疫不全ブタ,RAG2-KOブタに対し類上皮癌細胞株(A431)を用いて,結節型肝細胞癌動物モデルの作成を行った.腫瘍は乏血性腫瘍であり,Squamoidな腫瘍細胞が密に増殖し中心部には壊死を認めた.CTでは動脈相でリング状濃染を呈し,中心部には壊死を認めた.CT画像,病理学的には肝転移等の治療の治療効果判定を予測するためにモデルとして使用可能であると判断された.
【研究の社会的意義】
重度免疫不全ブタに対して類上皮癌細胞株(A431)を移植することにより、実験モデルとして妥当な、肉眼的に結節型を示す乏血性肝細胞癌モデルの作成に成功した。消化管腫瘍の転移性肝癌と同様の乏血性腫瘍であるため,このモデルを用いて様々な低侵襲性治療であるラジオ波,マイクロ波焼灼術,凍結治療の効率的な治療プロトコール作成に臨床導入前に検討を行える可能性がある.結果として臨床応用への時間を短縮し,今後の転移性肝癌治療の効率的な新規治療導入に応用することが可能となると考えられる。
【研究代表者】