高度頭低位手術後の一過性視野狭窄を引き起こす周術期要因の研究
【研究分野】麻酔科学
【研究キーワード】
周術期管理学 / ロボット手術 / 視野異常 / 脳血液量 / 眼圧 / 緑内障 / 低侵襲検査 / 能血液量 / 外科 / ストレス / 生理学
【研究成果の概要】
本研究で必要な症例数である100症例のデータ収集が完了し以下の知見が得られた。
(1) ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術(RALP)において一過性の視野障害は14.9%、永続的な視野障害は1%。(2) RALPは緑内障患者において禁忌とされるが、同意の得られた14名におけるtPOVL率は7.7%に過ぎないこと。(3) 近赤外線脳酸素モニターを用い、気腹頭低位で約15%脳血液量が増えていることが計測された。(4) 眼の解剖学的構造(隅角面積)と、眼圧上昇・視野障害に弱い相関が認められた。患者の眼の構造の違いがRALPを受けた後の視野障害に影響を与えている可能性がある。
【研究の社会的意義】
ロボット支援腹腔鏡下前立腺摘除術(RALP)時における、危険因子を明らかにし一過性視野障害、永続的視野障害の発症率を明らかにした。緑内障患者への適応拡大や視野障害を起こしやすい患者群を同定出来ることが示唆される。
【研究代表者】