Fuchs角膜内皮変性症のトリプレットリピート伸長が病態に与える影響の解明
【研究キーワード】
角膜ジストロフィ / ゲノム編集 / 角膜内皮 / Fuchs角膜内皮ジストロフィ / TCF4 / Fuchs角膜変性症 / 角膜内皮細胞 / トリプレットリピート / RNA seq / 全ゲノムシーケンス / Fuchs角膜内皮変性症 / CRISPR/Cas9 / RNAseq / フックス角膜内皮変性症 / RNA-seq
【研究成果の概要】
外来のFuchs角膜内皮変性症患者から採取した41人分のDNAに対してSTR assayおよびRepeat primed PCRを行い、TCF4のリピート伸長は8人(19.5%)に認められた。不死化角膜内皮細胞HCEnCのリピートをCRISPR-Cas9を用いて切断し、リピートノックアウト細胞株の作成に成功した。この細胞株は光学顕微鏡による表現型、細胞増殖曲線、TCF4の遺伝子発現量に違いがなかった。HCEnCに対して60および80リピートのドナーを用いリピートノックイン細胞株の作成にも成功した。80リピートノックイン細胞株ではRNA凝集、TCF4遺伝子発現の増加がみられた。
【研究の社会的意義】
本課題における検討において、世界で角膜移植の約40%を占めるFuchs角膜内皮変性症について本邦の症例のDNA解析を行い、TCF4遺伝子のリピート伸長型が一定の比率を占めることを確認できた。また、CRISPR-Cas9を用いて角膜内皮細胞株のリピートのノックアウトおよびノックインに成功し、リピート切断治療の可能性および、リピート伸長によるRNA凝集という細胞内の病態を反映するモデルを作成できた。今後のFuchs角膜内皮変性症の病態解明および治療法の検討にあたり、大変有用なモデル細胞で学術的、社会的意義があると考えられる。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2018-04-01 - 2022-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)