深層学習を用いた仮想高線量化技術による放射線画像検査の被曝最小化
【研究キーワード】
機械学習 / CT / 被曝低減 / 深層学習 / 雑音除去
【研究成果の概要】
1)3次元胸部ファントムによる被曝低減技術の性能検証
昨年度は、2次元の深層学習(ディープラーニング)モデルを3次元に拡張し、臨床Computed Tomography (CT)で得られる3次元データを扱えるモデルにした。同時に、演算量削減手法の開発により、1回のCT検査のデータを高速に処理できるようにした。本年度は、精巧な胸部ファントム(京都科学社製)のCT像を、最低線量から最高線量まで(0.05-35 mSv)変化させて撮像した。次に、超低線量CT像(0.05, 0.1, 0.2 mSv)を入力画像、それに対応する最高線量CT像(35 mSv)を教師画像とし、3次元の深層学習モデルを学習した3次元の深層学習モデルは、3次元のカーネルを有し、カーネル内の3次元画素情報をニューラルネット回帰モデルの入力とする。入力は超低線量CTの3次元局所領域(カーネルと一致)の画素値、出力はそれに対応する高線量CT中の1画素の推定値である。学習は、教師画素と出力画素の二乗誤差が小さくなるよう、ニューラルネットの層間の重み係数を調整することにより行われた。すなわち、出力画像が教師画像として使われた高線量CT画像に近くなるように、学習が進んだ。学習後の深層学習モデルの性能を評価するため、学習後のモデルの出力画像(仮想高線量CT像)と本物の高線量CT像の画質を定量的に比較し、線量低減率を算出した。仮想高線量CT像と本物のCT像の画質の関係を調べることにより、本手法で低減できる被曝線量を定量的に明らかにした。以上のように、本年度は、3次元胸部ファントムを用いて、3次元深層学習モデルによる被曝低減技術の性能検証を行った。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
粟井 和夫 | 広島大学 | 医系科学研究科(医) | 教授 | (Kakenデータベース) |
小尾 高史 | 東京工業大学 | 科学技術創成研究院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2022-03-31
【配分額】17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)