腸管内胆汁酸代謝制御による新規肥満・糖尿病治療法の開発
【研究キーワード】
肥満症治療 / 腸内環境 / 胆汁酸 / 腸内細菌叢 / 耐糖能障害 / 腸内細菌 / dysbiosis / メタボリックシンドローム / 肥満症 / 糖尿病 / 腸管
【研究成果の概要】
肥満・糖尿病の病態において、腸管内の胆汁酸代謝の変化が、腸内細菌叢とその代謝産物に偏りを生じさせ、その結果、インスリン抵抗性の病態が惹起されていることを示した。エネルギー糖代謝異常症において、腸内細菌叢の組成を決定する因子としての胆汁酸、ならびにその腸管内での胆汁酸代謝の重要性を明らかにした。高脂肪食による肥満・糖尿病の発症に、食事誘導性胆汁酸外分泌の増加が腸内細菌叢の偏倚を惹起し、変化した腸内細菌叢によりさらに新たな胆汁酸代謝が生じるとする、糖エネルギー代謝異常症の新たな病態の解釈が可能となった。
【研究の社会的意義】
本検討は、高脂肪食による肥満症・糖尿病の発症において、エネルギー摂取の増加ではなく、食事の質の違いにより惹起される胆汁酸代謝の変化に注目したものであり、カロリー計算と三大栄養素の割合で論じることが多い現在の食事療法について、新たな解釈を可能とするものである。有効な治療法に乏しい肥満・糖尿病において、腸管機能の維持を意識した治療法の開発に繋がるものと考えている。本研究から得られた知見に基づき、食事の質に注目した新たな栄養処方、および腸管腔内に作用する新たな肥満・糖尿病治療薬物の開発が期待される。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【配分額】3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)