クロマチン3次元構造解析による脂肪細胞特異的な遺伝子発現制御機構の解明
【研究キーワード】
脂肪細胞 / 転写制御 / 遠位エンハンサー / クロマチン3次元構造解析 / 糖尿病 / 肥満 / エピゲノム
【研究成果の概要】
脂肪細胞分化において重要な役割を果たすPPARγによるC/EBPα遺伝子の転写制御機構は不明であった。本研究ではクロマチン3次元構造の視点からゲノムワイドにバイアスなく脂肪細胞特異的な遺伝子発現制御機構を解明する目的で、3C法と次世代シークエンサーの組み合わせによるPromoter Capture Hi-C法によりプロモーター・エンハンサー間の近接関係の網羅的な解析を行い、3C法で見出していたC/EBPα遺伝子のプロモーターと下流の遠位領域との間の近接関係が確認されたことに加えて、新たなゲノム領域との間に近接関係が存在することが示唆された。
【研究の社会的意義】
次世代シークエンサーを用いた転写因子の結合領域やヒストン修飾領域のゲノムワイドな解析から、遺伝子発現の制御領域(エンハンサー)が遠位領域などゲノム上に広範囲に分布ことが明らかとなってきた。遠位エンハンサーは標的遺伝子のプロモーターとの間にクロマチンループを形成し、3次元空間上で近接して直接に相互作用することで発現制御を行うと考えられている。本研究はクロマチン3次元構造といった新しい視点からゲノムワイドにバイアスなく脂肪細胞特異的な遺伝子発現制御機構を解明する試みであり、新たな知見が得られることが期待される。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2018-04-01 - 2020-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)