リパーゼの糖尿病における新たな役割の解明
【研究キーワード】
高中性脂肪血症 / リポ蛋白リパーゼ / ホルモン感受性リパーゼ / アポリポ蛋白A5 / SREBP1c / インスリン / リパーゼ / 糖尿病 / 致死的代謝異常 / レプチン
【研究成果の概要】
細胞内の中性脂肪やコレステロールエステルを水解するリパーゼであるホルモン感受性リパーゼ(HSL)の欠損マウスを主に用い、その他にもリポ蛋白リパーゼ(LPL)の補因子であるアポリポ蛋白A5(apoA5)の欠損マウス、脂質代謝における重要因子であるSREBP-1cの欠損マウスなどを用い、リパーゼと糖尿病との関連について研究を行った。
HSL欠損はインスリン欠乏下での生存に有利なことを見出し、apoA5欠損でのカイロミクロン蓄積はSREBP-1c非依存的である一方、VLDL蓄積はSREBP-1c依存的であることを見出した。
【研究の社会的意義】
2014年にホルモン感受性リパーゼ(HSL)のヒトでの欠損家系が初めて報告され、HSL欠損は糖尿病と強く関連していることが示された。しかしこれまでにHSL欠損マウスでの研究で得られた知見からは糖尿病と強い関連は示されていなかった。ある種の高炭水化物食がHSL欠損マウスで脂肪肝やインスリン抵抗性を誘発するという予備的知見を元に、HSL欠損と糖尿病との詳細な関連を探った。この研究により糖尿病や糖尿病性高中性脂肪血症に対する新たな治療targetが示される可能性が期待されている。また、apoA5欠損マウスを用いた研究からは高中性脂肪血症のメカニズムの一端が解明され、今後の応用が期待される。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)