刺激応答タンパクGADD34と代謝性高齢者疾患の解明
【研究分野】内科学一般(含心身医学)
【研究キーワード】
脂肪肝 / 生活習慣病 / 鶏卵 / GADD34 / 糖質 / インスリンシグナル / 老化 / メタボリックシンドローム / ストレス応答 / インスリンシグナリング / 脂質二重膜 / 糖尿病 / 細胞膜
【研究成果の概要】
生活習慣病が日本でも増加している。私たちは長年GADD34分子に着目して研究を行ってきた。GADD34遺伝子欠損マウスは老化に伴い、2型糖尿病、脂肪肝から肝硬変、肝癌を高率に発症する。そのメカニズムの解明から脂肪肝の発症や抑制に食事内容が重要であることがわかった。。マウスにエネルギー源として砂糖, グルコース、果糖のみを投与すると、2週間で脂肪肝を発症する。また、脂肪エネルギーが60%でコリンを欠損する食事でも2週間という短さで脂肪肝を発症する。これらのマウスに糖質が極端に低く。糖質をほとんど持たず、脂質60%である鶏卵のみ長期投与しても脂肪肝にならないばかりか、強力な脂肪肝抑制効果があった。
【研究の社会的意義】
近年日本では生活習慣病が大きな問題になっている。それは、肥満からくる糖尿病、脂肪肝、動脈硬化さらにそれが進行して、腎不全、肝硬変、肝がん、心筋梗塞、脳梗塞といった中年以降の多くの疾患に関係する。この原因として、食事の内容が問題になっている。本研究はマウスモデルで生活習慣病、特に脂肪肝の発症メカニズムを解析した。GADD34はインスリンシグナル伝達系を抑制することで、糖尿病や脂肪肝の発症を抑制していることを見出した。さらに、砂糖、果糖単独投与マウスは1週間で、コリン欠乏食は2週間で脂肪肝を発症させること、鶏卵のみ投与マウスは半年以上脂肪肝を発症しないことを見出した。
【研究代表者】