電気けいれん療法の急性期作用期機序解明に関するマルチモーダルでの縦断的観察研
【研究分野】精神神経科学
【研究キーワード】
うつ病 / 電気けいれん療法 / 磁気共鳴画像 / 脳波 / 気分障害 / 脳画像 / 精神医学 / 電気けいれん / 脳・神経 / Magnet Resonance Imaging / 近赤外線スペクトロスコピィ
【研究成果の概要】
2022年3月31日時点で、25症例が登録さた。研究遂行にあたって有意な有害事象は認められなかった。MRIの構造画像解析では従来研究と同様に電気けいれん療法施行前後で海馬を中心として灰白質の容積増大が確認された。他の気分障害に対する治療法と比較して、治療前後での海馬体積増大がECTにおいて特異的であり、これが治療抵抗性うつ病におけるECTの抗うつ効果に関連している可能性が示唆された。また、先行研究と同様に拡散テンソル画像における白質変化、安静時機能的MRIにおける機能的結合性変化が確認された。
【研究の社会的意義】
うつ病は生活の質に与える影響が大きい疾病とされている。うつ病に対しては認知行動療法や薬物療法が行われるが、治療反応が示されなかった症例は治療抵抗性うつ病とされ、電気けいれん療法の適応とされる。電気けいれん療法の作用機序において海馬容積増大の関与が示唆されたことは、難治性うつ病の回復過程の神経学的基盤の解明に寄与したと考えられる。
【研究代表者】