音楽家の脳機能の解明: MRS-TMS-EEGを用いた横断研究
【研究キーワード】
音楽家 / 脳 / 音楽機能 / 認知機能 / 脳機能 / リズム / MRS / TMS-EEG / ドラマー / MRI / TMS / EEG
【研究成果の概要】
音楽家の脳機能の解明を目的とし、音楽リズム処理機能と精神疾患の関連性、音楽リズム処理や和音処理機能の神経基盤、音楽演奏評価と視覚情報の関連性、音楽家の身体運動制御やドラマージストニアの身体症状の解明等、以下(1)-(7)の研究を推進した。(1) 前年度に引き続き、研究分担者と連携してマルチモーダル脳機能イメージング手法(核磁気共鳴画像法 [MRI]、核磁気共鳴スペクトロスコピー法 [MRS]、経頭蓋磁気刺激[TMS]-高解像度脳波[EEG]の同時計測法 [TMS-EEG])を用いた実験調査を継続して推進した。(2) 精神疾患、特に統合失調症患者の音楽リズム機能をハーバードビート評価テスト(H-BAT)を用いて評価し、治療抵抗性、精神症状、認知機能との関連性を調査し、患者の認知機能の低下が音楽リズム機能の低下と関連していること、及び、治療抵抗性によって音楽リズム生成機能に差異があることを明らかにした。(3) 音楽リズム機能とMRSで評価した脳内グルタミン酸濃度との関連性についてデータ分析を進めた。(4) 協和音の嗜好性と安静時脳機能ネットワークの関連性について、左側坐核ー右上頭頂回、前帯状回ー後上側頭回の安静時脳機能ネットワークが協和音の嗜好性に関連している可能性を得た。(5)演奏評価判断中の視聴覚情報処理過程について調査し、演奏評価判断時の視聴覚情報処理過程が音楽経験によって異なる可能性を得た。(6)ドラマー・パーカッショニストのリズム生成機能や音楽家のジストニア症状とリズム同期誤差・筋活動の関連性について調査・分析した。(7)その他、音楽リズムと身体運動の共鳴をテーマとし、音楽リズムと身体運動に関する研究が人類の起源・脳・身体機能の解明にもたらす意義について、総説・解説記事をまとめて発表した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
中島 振一郎 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 講師 | (Kakenデータベース) |
野田 賀大 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 特任准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)