高密度ゲノムアレイを用いた小児白血病の解析
【研究分野】小児科学
【研究キーワード】
ゲノムアレイ / 白血病 / MLL遺伝子再構成 / マイクロアレイ / 乳児白血病
【研究成果の概要】
当研究の目的は、MLL遺伝子再構成を伴う乳児急性リンパ球性白血病(以下MLL-Re-ALL)のDNAを用いて、MLL-Re-ALLゲノムの変化を検索するものである。本年度はt(4;11)のMLL-Re-ALLの細胞株DNA 250ngからGeneChip【○!R】 Human Mapping 50K Array Hind 240を使用し、Genome Imbalance Map解析を行った。その結果は、いくつかの領域で増幅や欠失を認めたが、平成17年度に得られた増幅箇所との共通点は認められなかった。
そこで方針を少々変更し、ゲノムアレイを用いてDNAのメチル化などの変化を検索することとした。DNAのメチル化やクロマチン構造の修飾も、コピー数の変化と同様に転写を変化させることが知られている。初期の検討として、がん細胞株からヒストン抗体やメチル化シトシン抗体で濃縮したDNAを蛍光標識し、Affymetrix社のGeneChip【○!R】 ENCODE01 1.0 Arrayを用いてヒトゲノムの1%の領域のゲノムやゲノム構造の変化を解析した。その結果、高解像度かつ高い正確性をもってこのような変化を検出できることが分かった。たとえば、ホメオボックスA領域ではHCT116細胞で、HOXA5,HOXA6,HOXA11のプロモータ領域でDNAのメチル化が認められ、これらはBisulfiteシークエンスで確認された。これらの結果はGenomics紙およびHuman Genetics紙に報告することができた。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2005 - 2006
【配分額】3,600千円 (直接経費: 3,600千円)