遺伝子多型性に基づく心血管病患者の予後予測評価および治療薬の開発
【研究分野】循環器内科学
【研究キーワード】
心血管病 / 遺伝子多型 / 疾患感受性 / プロモーター領域 / Matrix metalloproteinase / ATP-binding cassete A1 (ABCA1) / Glycoprotein Ia / KLF5 / 遺伝子マーカー / エクソン / SNP / マトリクスメタロプロテアーゼ / プロモーター
【研究成果の概要】
本研究の目的は心血管病の発症・重症度を規定する遺伝子マーカーを同定することである。
我々は東大病院循環器内科用い包括的臨床データベースを構築し約1800例のデータを得ており、あわせて東京大学医学部の当該倫理委員会の承認のもと遺伝子検体採取を行い約1300例のDNAが解析可能である。これらを活用し動脈硬化症発症を規定する遺伝子多型およびそれに付随する遺伝子機能解析を行い以下の結果を得た。(1)ATP-binding casette A1 (ABCA1)遺伝子Met823Ile多型が日本人においてHDL濃度と関連することが判明した。(2)matrix metalloproteinase (MMP)のMMP1およびMMP3のプロモーター多型のハプロタイプが心筋梗塞発症に関連することを示した。
(3)ヘムオキシゲナーゼー1(HO-1)のプロモーター領域多型が冠動脈疾患発症に関連することを示した。(4)血栓形成に関わるglycoprotein Ia遺伝子多型と心筋梗塞発症の関連を検討したが日本人では関連性は認めなかった。(5)ホモシステイン濃度を規定するMTHFR遺伝子多型と動脈硬化性発症との関連性を以前に示したが、その病態機序をラット血管障害モデルにより内皮機能障害を証明した。(6)血管平滑筋の形質転換に関与する転写因子KLF5の発現が冠動脈形成術後の再狭窄に関与し、また同遺伝子欠損マウスの解析により同遺伝子が心血管リモデリングの主たる制御因子であることが証明された。
このような心血管病との関連が予測される遺伝子群についての多型解析・機能解析により実地臨床において有用な遺伝子が選別され、それを活用した個別化医療が将来的に可能になると考えられる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
古谷 利夫 | 株式会社ファルマデザイン | 代表取締役社長(研究職/">(Kakenデータベース) |
前村 浩二 | 東京大学 | 医学部附属病院 | 助手 | (Kakenデータベース) |
山崎 力 | 東京大学 | 大学院・医学系研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
坂田 恒昭 | 塩野義製薬 | 主管研究員 |
森田 啓行 | 東京大学 | 医学部・附属病院 | 助手 | (Kakenデータベース) |
栗原 裕基 | 熊本大学 | 発生医学研究センンター | 教授 | (Kakenデータベース) |
古屋 利夫 | ファルマデザイン(株) | 代表取締役社長・(研究職/">(Kakenデータベース) |
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【研究種目】地域連携推進研究費
【研究期間】2000 - 2002
【配分額】40,100千円 (直接経費: 40,100千円)