腸管特殊上皮M細胞成熟過程における転写制御機構の解析
【研究分野】解剖学一般(含組織学・発生学)
【研究キーワード】
M細胞 / パイエル板 / Sox8 / IgA / 腸管免疫 / 離乳期 / 粘膜免疫 / 細胞・組織 / 上皮組織
【研究成果の概要】
腸管管腔内の抗原取り込みを行う特殊上皮M細胞は特異的IgA抗体の産生に重要である。本研究によってM細胞からの抗原取り込みに転写因子Sox8が必要であることを明らかにした。Sox8はGP2を含むM細胞機能発揮に必要な分子を制御していた。そのため、Sox8欠損マウスでは管腔内物質の取り込み能が低下し、腸内細菌特異的IgA産生能が低下していた。
【研究の社会的意義】
M細胞分化を制御する機構には不明な点が多かった。本研究によってSox8がM細胞の機能的な成熟に関与していることが明らかになった。Sox8によって制御される分子の解析を今後続けていくことで、M細胞がどのようにして抗原取り込み能を獲得していくかが明らかになると期待できる。Sox8欠損マウスでは特に離乳後のIgA抗体産生能力が低下していた。これは生後の免疫を獲得するために必要であることから、今後の乳幼児医療に有用な知見となる。
【研究代表者】
【研究協力者】 |
小林 伸英 | |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【配分額】4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)