進行期乳房外パジェット病における治療効果予測のバイオマーカーの探索
【研究キーワード】
VEGFR1 / Androgen receptor / 乳房外パジェット病 / 皮膚悪性腫瘍 / バイオマーカー / 免疫療法 / 化学療法
【研究成果の概要】
本研究では進行期乳房外パジェット病に対する化学療法の免疫モニタリングを実施する計画であった。これまでに殺細胞性抗がん剤治療(S-1/DTX療法3例、FP療法2例、DTX単剤療法1例)を実施した6例において治療前および治療開始8週後の末梢血を回収し、プロテインアレイを実施した。抗体マイクロアレイキット(Cancer BioMarker Antibody Array, Full Moon Biosystems)を使用し、血清中の抗腫瘍免疫活性の促進あるいは抑制に働く各種サイトカイン及び関連性を示すタンパク質(可溶性CD抗原、炎症性タンパクなど)等の既知のcancer marker 247種の分子についてELISA法で解析した。具体的には、血清より抽出しビオチン化したタンパク質を三次元ポリマースライドの抗体アレイとインキュベーションし、蛍光標識したストレプトアビジンにて検出し、画像定量化ソフトウエアで分析した。その結果、治療奏効4例では治療前後でVEGFR1やandrogen receptorのsignalが増加する傾向にあり、一方でMMP-10などは減少する傾向がみられた。免疫チェックポイント阻害薬治療例においては治療前後の血清が集まり次第、同解析を実施する予定である。一方で、過去に切除した腫瘍のFFPEを用いた免疫組織化学染色では、がんの転移やその制御に関わるタンパクの過剰発現が確認された。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)