味覚神経機構研究のためのin vitroラット脳幹-脊髄-舌標本の開発
【研究分野】生理学一般
【研究キーワード】
味覚 / 摘出脳幹-舌標本 / in vitro / ラット / 舌咽神経 / 顔面神経 / 膜電位感受性色素 / 膜電位イメージング / 孤束核
【研究成果の概要】
本研究は、舌から鼓索神経・舌咽神経および鼓索神経膝神経節・舌咽神経下神経節を介して延髄孤束核のニューロンネットワークにいたる味覚神経機構について、膜電位イメージング法を用いて解析するためのin vitro実験系を確立することを目的としている。平成13年度には、若齢ラットより脳幹脊髄・顔面神経(鼓索神経)・舌咽神経・舌を一塊として摘出した脳幹舌標本について、その作成手術手技およびin vitroでの維持条件を確立した。そこで、平成14年度には、同標本を用いて本格的に味覚神経機構解析を行った。味覚神経機構を刺激するため、平成13年度には、標本の舌表面各部を微小金属電極を用いて電気的に刺激したが、その場合、舌内筋肉の収縮により標本が動くという問題があった。そこで、平成14年度には標本を計測用チェンバーに確実に固定する工夫を行うとともに、変法として舌を切除し吸引電極により鼓索神経に対して直接に電気刺激を加える実験系も開発した。これら標本を用いた解析の結果、刺激側と同側の延髄孤側核内において、吻側から尾側へと神経興奮波が伝播する過程を可視化することに成功した。さらに、平成14年度には、味覚神経機構の発達過程を解析するため、各種日齢(0〜7日齢)のラットを用い、鼓索神経電気刺激に対する延髄孤側核の神経興奮様式を比較した。その結果、鼓索神経電気刺激に対する延髄孤側核の神経応答は、生後3日以降に特に増強することが明らかになった。これらの成果の一部は、第79回日本生理学会大会で発表した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
長井 孝紀 | 慶應義塾大学 | 医学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】萌芽研究
【研究期間】2001 - 2002
【配分額】1,900千円 (直接経費: 1,900千円)