生物による物質生産研究を加速する菌体内アルデヒド生成量の可視化技術の開発と応用
【研究キーワード】
進化分子工学 / カーボンニュートラル / 非侵襲的手法 / リアルタイム検出 / バイオセンサー / バイオエネルギー / 物質生産 / 生物発光 / リアルタイム / アルデヒド / 発光検出 / 細胞内アルデヒド生成量 / ハイスループットスクリーニング / 微生物による物質生産 / タンパク質 / 非侵襲的検出
【研究成果の概要】
微生物を用いた物質生産では、目的生成物の収量を最大化するために、遺伝子の種類、発現量、培地条件、培養温度など、数多くのパラメーターに関し、多くの実験を試行し、生産条件を決定(最適化)する。この最適化のプロセスが、物質生産の実用化プロセスの律速段階となっている。本研究では、標的物質、もしくはその前駆体となる物質(目的物質)の生成に応じて発光する大腸菌(バイオセンサー大腸菌)を開発し、大腸菌で目的物質の生成を行い、律速段階とある反応(酵素)について、バイオセンサー大腸菌を用いた進化分子工学により、その高活性化を実現し、目的物質(もしくはその前駆体)を高生産する大腸菌の開発を行う。
本研究では、昨年に引き続き、目的物質を生成する人工遺伝子回路の設計とその構築の準備を進めてきた。人工遺伝子回路の設計はおおよそ完了している。目的物質類縁体に対して、バイオセンサータンパク質が反応することが明らかとなった。バイオセンサーとしては、選択性と感度の改良が必要であるため、その準備を進めている。さらに、新型コロナウイルスの感染状況の悪化や、感染予防措置による時短、また、研究室の立ち上げに時間を要し、実現には至っていない。
この他に、白血病の原因となるタンパク間相互作用を阻害するペプチド断片を設計し、野生型ペプチドよりも高い結合能で阻害することを確認し原著論文として発表した。また、バイオ燃料として期待されるアルカン(軽油相当)を生成する2つのタンパク質に関するこれまでの研究について総説として発表した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)