水産物の価格形成メカニズムに関する基礎的研究
【研究分野】水圏生産科学
【研究キーワード】
水産物市場 / マーケティング / 消費者行動 / 価格 / 価値 / 風評 / エコラベル / 応援買い / 水産物消費 / 多様度 / 水産経営 / 食品流通 / 環境ラベリング / 合意形成 / 生態系の価値 / 魚価 / 水産経済 / 価格形成 / オークション / 水産物流通 / 水産物の消費 / 水産物価格 / 放射性物質 / セリ / 水産改革 / 卸売市場 / SDGs / 経営 / 流通 / 価格構造メカニズム / 市場 / 真珠 / 水産物エコラベル / 価格形成メカニズム
【研究成果の概要】
本研究は、消費者調査や市場統計分析などを通じて水産物価格形成メカニズムを解明する目的で2016年4月から2021年3月にかけて実施した。成果の1つは、福島原発事故後における水産物に対する消費者意識の時系列変化に関する新しい知見を得たことである。震災直後の2012年では放射性物質への忌避が強い一方で被災地を応援する購買意欲も高かったが、2015年及び2018年では放射性物質への忌避は若干弱まったものの、一方で被災地を応援する購買意欲は大きく弱まっている状況等が判明し、成果を査読論文等として複数の国際ジャーナル等で発表した。加えてエコラベル製品に対する消費者の評価等、新規の知見を複数得た。
【研究の社会的意義】
一般的に経済学の教科書では、商品の値段は需給関係で基本的に決まり、更に国民所得や代替物の有無が関係するとされる。しかしこれは品質が均一な工業製品を仮定した議論であり、品質が不均一な水産物には正確には当てはまらない。本研究では、オンライン調査で得たデータ、実際の水産物セリ現場の記録等を分析し、消費者が認識する水産物の機能的な価値(鮮度・栄養など)、社会的な価値(応援買いや環境配慮型消費など)、安全面での不安要因(放射性物質汚染など)の強さ、及び相互の関係を解明した。これにより原発事故の風評等を理解する新しい知見を得ることができ、水産物のマーケティング研究の水準を高めることができた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
マルシャレツ ダニエル | 東京大学 | 大学院経済学研究科(経済学部) | 講師 | (Kakenデータベース) |
大石 太郎 | 東京海洋大学 | 学術研究院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2016-04-01 - 2021-03-31
【配分額】37,180千円 (直接経費: 28,600千円、間接経費: 8,580千円)