新規リジン生合成酵素群の構造機能相関と分子進化解析
【研究分野】応用微生物学
【研究キーワード】
Thermus属細菌 / リジン生合成 / 基質特異性 / X線結晶構造解析 / 分子進化工学 / 転写調節 / 生合成 / アミノ酸 / 酵素 / 進化 / 微生物 / 気質特異性
【研究成果の概要】
1)Thermus thermophilusにおいて、ホモアコニターゼの酵素学的諸性質を解析し、同酵素が第3番目の反応を触媒出来るものの、第2番目については触媒出来ないことを明らかにした。2)αアミノアジピン酸アミノ基転移酵素(AAA-AT)について、ピリドキサールリン酸(PLP)複合体構造、およびPLP+ロイシン複合体構造などをX線結晶構造解析により決定した。AAA-ATは、リジン生合成の基質である2-オキソカプロン酸だけでなく、ロイシン生合成、フェニルアラニン生合成の対応化合物に対しても高い活性を有している。その基質認識機構を、タンパク質の立体構造決定することにより解析した。稼働性が高いN末端のα1ヘリックスが基質側鎖の性質に応じて移動すると同時に、同ヘリックスに存在するArg残基が活性発現に重要な役割を持っていることを明らかにした。3)DNAシャッフリングにより、ロイシン生合成の対応基質2-イソプロピルリンゴ酸に対して高い活性を示す改変型ホモイソクエン酸脱水素酵素を作製した。得られた酵素、および導入された個々の置換の効果を解析し、それら何れの置換も基質特異性の変換に効果があることが明らかにした。4)AAAのαアミノ基の修飾を行う酵素LysXについて、T.thermophilus HB27株のもの、およびSulfolobus tokodaiiのLysXパラログについて、結晶化に成功した。5)主要リジン生合成酵素遺伝子クラスターの転写はリジンによって制御されていることを明らかにした。その様式は大腸菌のtrpオペロンに類似したattenuation機構であった。さらに、同クラスターの転写はアルギニン生合成転写調節因子ArgRおよびプロリン代謝転写調節因子PutRによっても制御されていることを明らかにした。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2004 - 2006
【配分額】15,700千円 (直接経費: 15,700千円)