地球生態系と太陽を繋ぐ新しい光エネルギーフローモデルの創出
【研究キーワード】
微生物生態 / 海洋微生物 / ロドプシン / 光エネルギー / メタゲノム / 光従属栄養 / カロテノイド / 海洋細菌
【研究成果の概要】
本研究では、大規模に微生物のゲノム・メタゲノム・トランスクリプトームのデータを収集・解析を行うことで、バクテリアだけでなく、真核微生物や巨大ウイルスの持つ未知ロドプシンを探索し、その機能を明らかにした。さらに、ロドプシン遺伝子の分子系統及び分布を大規模に可視化した。また、ロドプシン遺伝子は保有するがレチナール生合成経路の遺伝子を保有しない微生物分離株を用いて、未知のレチナール生合成経路が存在する可能性を示した。
【研究の社会的意義】
地球上に生息するほぼ全ての生物は太陽光に由来するエネルギーを使って生命活動を行なっている。一般的に、太陽光を生態系に流す窓口になる生物は光合成システムを保有し酸素発生型光合成を行う生物である。しかしながら、2000年に海洋微生物から微生物型ロドプシンが発見され、これまで光を全く受容しないと考えられていた微生物も太陽光を利用していることが示された。本研究では、ロドプシ遺伝子の探索および機能解析対象をバクテリアだけでなく真核微生物や巨大ウイルスまで拡張することで、生態系における光エネルギー利用の概念に新たな1ページを書き加えた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
岩崎 渉 | 東京大学 | 大学院新領域創成科学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2018-04-01 - 2022-03-31
【配分額】39,520千円 (直接経費: 30,400千円、間接経費: 9,120千円)