地球環境保全を目指した海洋生物における石灰化の分子機構の解明
【研究分野】環境農学
【研究キーワード】
地球環境保全 / 石灰化 / 海洋生物 / 有機基質 / サンゴ / 円石藻 / 甲殻類 / 軟体動物
【研究成果の概要】
わずか2ヶ月間であったが、以下の研究を行った。それぞれの研究材料によって研究の進捗状況および視点が異なっているが、大きくは石灰化反応における生物材料間の共通点を見い出すことを目指して実験を行った。
1. 円石藻のココリス-円石藻に外来遺伝子を導入する方法の確立が喫緊の課題であり、方法の検討を行ったが、まだ確立するに至っていない。ココリスはベースプレートと呼ばれるセルロースで作られた楕円形の板の上で形成されるが、その板上に存在し、ココリス形成に必須と考えられる有機基質を探索した結果、3種類のタンパク質を同定した。現在、cDNAクローニングを行っている。
2. サンゴ-材料としてアザミサンゴを入手し、申請者らが以前にアザミサンゴから初めて同定した分子質量53kDのタンパク質galaxinの組換え体タンパク質の調製を開始した。今後、galaxinの機能を解析する予定である。
3. 貝殻-最近、アコヤガイの真珠層形成に重要なPifと名付けたタンパク質を同定したので、真珠層を有する他種で類似のタンパク質が真珠層形成に関わっているかどうかを調べた。材料として、シロチョウガイ、ムラサキイガイ等を用いた。その結果、それぞれのホモログを同定することができた。また、コガモガイの貝殻構造の詳細を電子顕微鏡の技術を用いて解析した。
4. 総合的なこと-われわれがすでに提出している有機基質の存在様式と機能に関するモデルを確証すると共に、得られた結果に基づいて適宜修正を施している。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
小暮 敏博 | 東京大学 | 大学院・理学系研究科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2010
【配分額】19,240千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 4,440千円)