マイクロバイオームに基づく森林環境の評価手法の開発
【研究キーワード】
樹木 / 健全性 / 森林環境 / ナノポアシーケンサー / マイクロバイオーム
【研究成果の概要】
森林や緑地をグリーンインフラとして整備・活用するためには、樹木、ひいては森林等の健全性を評価する必要性がある。しかし、従来の手法では樹木診断にコストがかかるだけでなく、原因菌類や感染経路の特定が困難であった。そこで、本研究では、健全な森林と病害の発生した森林で土壌や樹木表面のマイクロバイオームの比較解析を行い、病害と関連した微生物叢の特徴を明らかにし、森林環境の評価手法を開発することを目的とする。また、リアルタイム解析のプロトコルを作成し、樹木保護の現場への普及を図ることで、環境評価手法の社会実装を目指す。
2021年度は、ナノポアシーケンサーMinIONによるリアルタイムシーケンスを用いた、微生物叢から樹木腐朽の診断を行うアプローチの実用化の検討に取り組んだ。これまでナノポアシーケンサーの課題とされていたシーケンスリードの精度の低さを改善する必要があることから、サワラ人工林の腐朽病害木材から抽出されたゲノムDNAを用いて、ナノポアシーケンサーによるアンプリコンシーケンス解析のプロトコルを再検討した。その結果、近年改良がおこなわれたR10.4フローセルとKit 12試薬、Bonitoベースコーラーを組み合わせてアンプリコンシーケンス解析を行うことにより、シーケンスリードの精度をQ20に近づけ、リアルタイムシーケンス解析で2019年度に実施したMiSeqによるシーケンス解析に近い結果が得られることを示すことができた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
平尾 聡秀 | 東京大学 | 大学院農学生命科学研究科(農学部) | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2018-06-29 - 2023-03-31
【配分額】5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)