開花期制御を実現するための栄養開花メカニズムの解明
【研究キーワード】
栄養開花 / 窒素 / GWAS / 開花 / 栄養条件 / イネ / 元素分析
【研究成果の概要】
イネは低窒素条件において開花が促進し、その促進度合いには品種間差があること明らかにしている。前年度は短日植物であるイネは、品種によっては短日条件では開花までの期間が非常に短く、低窒素条件での開花促進度合の比較が難しいことが予想されたため、開花期が長くなる長日条件での開花促進度合いを品種ごとに調査し、その表現型データを用いたGWASから、低窒素条件による開花促進に関連する候補遺伝子を取得済みである。加えて主要な開花関連遺伝子の機能欠損体を長日条件かつ通常窒素、低窒素条件で栽培し、開花までの日数を調査した結果、長日条件においては、Hd3a, Ehd1, RFT1は低窒素条件による開花促進には寄与していないことが前年度に示唆された。一方で2021年に発表された論文では、高窒素濃度条件下ではイネのフロリゲンであるHd3aが開花促進に重要な役割を果たしていることが報告された。そこで短日条件下で窒素条件を変化させた栽培試験で、幼植物を用いた発現解析を行ったところ、水耕液中の窒素濃度が減少するに従ってHd3a, Ehd1, RFT1の発現が顕著に誘導されていた。以上の結果から既報の論文との相違点を明らかにするため、今後は短日条件下でも既知の開花関連遺伝子の変異体を栽培し、開花期を調査する計画である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
神谷 岳洋 | 東京大学 | 大学院農学生命科学研究科(農学部) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【配分額】17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)