天然林の資源把握・環境モニタリングに関する研究
【研究分野】林学
【研究キーワード】
リモ-トセンシング / 地理情報システム / 森林調査 / FREDAM / 環境モニタリング / 森林管理 / 林型区分 / 樹冠疎密度 / CVA解析 / テクスチャ-解析 / 衛星画像 / GIS(地理情報システム) / 林分構造 / 生態モデル / 天然林 / データベース / リモートセンシング / TMデータ
【研究成果の概要】
1.天然林の資源・環境管理と地理情報システム(GIS)
森林資源情報,森林管理情報,地沢情報のような数値情報と,森林基本図,林相図,土壌図などの図形情報から成る地理情報システムを作成し,このGIS情報と現地情報,リモ-トセンシング情報との照合を行った。
ついで,リモ-トセンシング情報を統計処理・画像処理するための,天然林の資源,環境モニタリングシステム・FREDAM(Forest,Remote Sensing Data Analysis System)を作成し、東京大学秩父演習林と北海道演習林の森林に適用した。
2.資源・環境モニタリングの設計とその天然林への応用
秩父演習林の森林については,1984,1987,1988年の3時期のランドサット・TMデ-タを用いてCVA(Change Vector Analysis)解析を行った結果,国道開設に伴う森林伐採箇所や河川の埋め立て地を検出することができた。また,北海道演習林の天然林を対象に,テクスチャ-解析により林型区分を行ったところ,この手法が樹冠疎密度区分に有効であることが確認された。さらに,1990年に撮影されたSPOTのパンクロマチックデ-タ(解像度10m)とマルチスペクトルデ-タ(解像度20m)をRGBーHRV変換を使って合成し,5万分の1のカラ-衛星画像マップを作成した。この図では,広大な演習林の森林状態が詳細に表現されており,誰にでも森林環境を把握することが可能である。
3.残された問題点と今後の課題
技術的には,雲や影による衛星情報の損失の問題,各センサの特質の解析などがある。また,資源調査、環境モニタリングシステムを森林管理の中核に位置づけるための,体制づくりとものの見方の転換が必要である。
【研究代表者】