希少放線菌が形成する胞子嚢の開裂メカニズムの解明
【研究キーワード】
希少放線菌 / 休眠と覚醒 / 胞子嚢 / Clpプロテアーゼ / 休眠細胞 / 覚醒 / 胞子 / 遊走子 / 開裂 / 休眠
【研究成果の概要】
本研究計画は希少放線菌Actinoplanes missouriensisが形成する胞子嚢を材料として、細胞が栄養増殖状態から休眠耐久状態に移行する過程、および休眠細胞が外部環境の変化を感知して覚醒し、発芽に至る過程の分子機構の解明を目標としている。具体的な実験計画として、(1) 胞子嚢形成と胞子嚢開裂に必須であることが判明しているClpプロテアーゼ複合体のATPaseサブユニットをコードするclpXの転写制御機構の解析、(2) 胞子嚢形成と胞子嚢開裂の過程でClpXと複合体を形成するプロテアーゼサブユニットの同定、(3) 胞子嚢が開裂する過程でClpプロテアーゼ複合体によって分解されるタンパク質の道程とその機能解析、の3点に焦点を絞り、研究を進めている。
本年度は実験計画 (2) の条件検討を行った。A. missouriensisがコードする4つのプロテアーゼサブユニットClpP1, ClpP2, ClpP3, ClpP4それぞれを抗原とするポリクローナル抗体を既に得ており、またC末端にHisタグを付加したClpXを細胞内で生産する変異株を作製済みのため、抗Hisタグ抗体による共免疫沈降法とウエスタンブロットにより、ClpXと複合体を形成するプロテアーゼサブユニットの同定を試みた。種々の条件を検討したが、抗Hisタグ抗体を用いた免疫沈降サンプルにおいてClpP1, ClpP2, ClpP3, ClpP4のいずれも検出されなかった。これは細胞内でのClpXの生産量が少ないことが原因と予想される。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)