ミオシンホスファターゼ阻害因子による新たな繁殖障害治療法の開発
【研究キーワード】
子宮平滑筋 / 妊娠 / 分娩 / CPI-17 / 排卵数 / フォスファターゼ / 子宮 / 産仔数 / 収縮 / ホスファターゼ
【研究成果の概要】
本研究は、平滑筋に特異的に発現しているミオシンホスファターゼ阻害タンパク質CPI-17に着目し、雌における妊娠から分娩、雄における精子数やその活性にCPI-17の役割を明らかにするために、CPI-17欠損マウスとリン酸化抵抗性CPI-17[T38A]ミュータンマウスを用いて解析した。CPI-17は雄の精子活性には影響しなかった。子宮平滑筋のオキシトシン収縮と正常な妊娠期間を保持するのにCPI-17の機能が必要であることが判った。CPI-17は排卵数には影響しなかったが、CPI-17の欠損や機能異常は産仔数が増加した。今後さらにミオシンホスファターゼ経路の着床~分娩までの機能について解析する。
【研究の社会的意義】
CPI-17は1995年にブタの動脈よりクローニングされて以来、実に20年以上遺伝子改変動物の作出に成功していなかったが、2015年に申請者がゲノム編集によってCPI-KOとCPI-TAの二系統の遺伝子改変動物作出に成功した。すなわち、本研究申請により、個体の受精~着床~分娩に至る過程におけるCPI-17の生理的役割が解明できれば、さらに世界をリードする研究成果となり、繁殖生理学分野に新しい研究領域を展開することが可能である。CPI-17はヒトに至るまで種を超えて広く保存されていることがわかっている。従って、本研究で得られた成果を、ブタの繁殖障害研究への応用の足がかりとする。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
水野 理介 | 岡山理科大学 | 獣医学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2019-06-28 - 2022-03-31
【配分額】6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)