グローバル化と製品リストラクチュアリング:企業要因と地域要因
【研究キーワード】
輸入競争 / リストラクチャリング / 製品構成 / 組織再編 / 生産性 / グローバリゼーション / 産業高度化 / 製品転換
【研究成果の概要】
本年度は2本の論文を査読付き学術誌に掲載することができた。一つは、中国からの輸入の拡大が、日本企業の国内生産の品目転換に及ぼす影響について分析した研究で、Review of International Economics誌に掲載することができた。この論文では、経済産業省「工業統計調査」の調査票情報を用いて、中国製品の輸入の拡大により、単一事業所企業と複数事業所企業でどのように対応が異なるかを分析したものである。もう一つは、経済産業省「工業統計調査」と経済産業省「企業活動基本調査」を調査票レベルで接続したデータベースを用いた研究である。この研究では、製造業企業のサービス化に注目し、輸入競争により特に規模の大きい企業でサービス分野に展開する企業が増えていることを示した。また、アウトソーシングとの違いについても考察を行っている。本論文は、いくつかの学術誌に投稿した結果、The World Economy誌に掲載することができた。
現在進行中の研究としては、輸入競合産業における企業のリストラクチャリングのパターンについて分析したものである。この論文についても、経済産業省「工業統計調査」の調査票情報を用いて、輸入競争が激化したときにどのような企業が、①製品転換を選ぶのか、②雇用調整を選択するのか、あるいは、③製品転換と雇用調整を同時に行うのかを、多項ロジットモデルを用いて分析した。本研究については、初稿が完成しており、現在、Working Paperとしての公表準備を進めている。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)