日中英における農村共有資源の開発・利用・保全に関する比較制度分析
【研究分野】農業経済学
【研究キーワード】
共有資源 / 比較制度分析 / コモンズ / 灌概用水 / 共同行為 / 共同体 / 農業政策 / ゲーム理論 / 灌漑用水 / 放牧地 / 環境政策 / 農村共有資源 / 水利慣行 / 牧野 / 土地改良区 / 中国雲南省 / 少数民族 / 農林共有資源 / 入会林野 / ため池 / 生産森林組合
【研究成果の概要】
本研究では、日中英間に横たわる農村資源の共通性と異質性を学びながら、以下の手順で農村資源管理のモデルを理論的かつ実証的に検討した。
1)国内外の共有資源に関連する文献を収集して、「コモンズの悲劇」の学説史を参照しながら共有資源管理に関する比較制度分析モデルを考察した。特に近年発展が著しいゲーム理論に基づくモデルを吟味した。
2)日本国内の事例に基づいた実証分析を行った。(1)埼玉県都市近郊部での農業用水転用問題について水源開発費などを推計しながら、共有資源の保全・管理の視点からゲーム論的枠組みでその妥当性について検討した。(2)長野県飯山市を対象にした研究では、集落における営農面での共同行為、および用水配分のための中間組織め行動原理について詳細な検討を行った。(3)香川県満濃池では、大渇水時に古来よりの水利慣行が復活したその背景を検討した。
3)中国雲南省において104村の調査票調査を実施した。それらは村民小組リーダーもしくは集落(村民小組の下部機構とレて位置づけられる)リーダーへのインタビューによる。この調査データと実態調査の知見をもとに住民の資源保全管理に関わる協調行動の規定要因について理論的かつ実証的な検討を行った。そこでは進化論的ゲーム理論に基づいた公共財供給のモデルを利用しながら、資源保全のための協調行動を誘導するための条件について考察した。
4)イギリスの農業環境政策、田園計画について実態調査を行い、そこでの課題を整理した。
【研究代表者】