クラウド・ソーシングが製品デザイン要素を通じて、新製品パフォーマンスに及ぼす影響
【研究キーワード】
マーケティング戦略 / クラウドソーシング / 製品開発 / 製品デザイン / クラウド・ソーシング / 製品デザイン要素
【研究成果の概要】
令和元年度は、クラウド・ソーシング(以下CSと表記)の実態を把握するため、CSに関するビジネスを手掛けている国内外の企業への取材を行なった。1社目は、専門スキル(翻訳やデザイン等)の提供者と、それを求める企業や人とをマッチングさせるクラウドワークスである。2社目は、クラウド・ファンディング(以下CFと表記)を活用し資金調達を求める者と、支援者とを結びつけるMakuakeである。
プラットフォーム提供企業に取材を行なった後、CFを実際に導入した企業にも取材を実施した。キングジムでは、CFを活用し、TRENE(2017年)、カクミル(2018年)、Egg(2019年)という新製品を市場導入している。
国外でも、実態把握の為の取材を実施した。株式会社IHIの米国現地法人への取材からは、オープン・イノベーション活動の一環としてベンチャーキャピタリストと連携することで、新しいビジネス・シーズの獲得という副次的効果を得ていることを明らかにした。
シリコンバレーでは、B8taという家電や家庭用品の体験ショップにも訪問した。このショップは、スタートアップ企業とパートナーシップを結ぶことで、スタートアップ企業の新奇性の高い製品を訪問者に触れてもらう場となっていた。自動翻訳機「ポケトーク」は、当該ショップから生まれている。更に、クラウド・サービスで世界をリードするGoogle本社にも訪問した。なお、米国調査の際には、海外連携研究者であるKenneth教授と打ち合わせを行い、次年度に向けた定量調査について議論を行なっている。
以上のように、本年度では、CSを手掛ける有力企業の開発責任者、並びに、CFを活用して新製品を手掛けた責任者に半構造化インタビューを行なった。結果として、クラウドと製品開発との関係を把握すると共に、通常の製品開発にはみられないプロセスや変数についても明らかにしている。
【研究代表者】