長期不況下における沖縄農業の構造変動と農法変革に向けた研究
【研究分野】社会・開発農学
【研究キーワード】
地域労働市場 / 沖縄 / 農業構造 / さとうきび / 地域性 / 農地市場 / 肉用牛繁殖経営 / 養蜂業 / 農地集積 / サトウキビ / 農外就業 / 大規模経営 / 沖縄県 / 就業構造
【研究成果の概要】
沖縄の農業構造に関する研究では,a.地域労働市場が展開した沖縄本島南部では,展開前の世代や,展開後でも農外就業における賃金水準比較で農業に優位性を感じる人々がおり,農業労働力が一定再生産されていた.b.多良間島や与那国島といった小規模離島では,ともに地域労働市場の展開が望めなかった.前者では2000年代の行政による畜産への補助事業が,農業中間層を維持していた.後者では,農外就業の減少が農業人口の増加ではなく島外への人口流出となり,残った生産者による大規模な農地集積が行われていた.
農法変革の研究では,肉用牛繁殖経営の2000年以降の技術変革程,新興の養蜂業や紅茶の農法と経営の特徴を整理した.
【研究の社会的意義】
・沖縄農業については,畑作,そして,国内では特異な地域労働市場という特徴のため,本格的な農業構造論の議論が着手されずにいたが,本研究はその分野に切り込んだことになる.近年,農業構造の国内地域差に関する検討が始まった中で,沖縄に関するまとまった研究成果が得られたことの学術的意義は大きい.
・本研究が沖縄県内の地域類型ごとに,農業生産の担い手を示していることで,各地域の農業システムづくりの基礎資料を提示した.
【研究代表者】