食餌由来脂溶性異物の生体作用と内因性防御機構の解析
【研究分野】食品科学
【研究キーワード】
脂溶性異物 / 脂質過酸化物 / アルデヒド / 解毒酵素 / 抗体 / 免疫化学 / 植物野菜 / ファイトケミカル / 脂質酸化物 / モノクローナル抗体 / 野菜 / 免疫科学 / 植物生理活性物質 / 食物生理活性物質
【研究成果の概要】
機能性食品成分による解毒酵素遺伝子発現の分子機構解析:ワサビ由来成分6-methylsulfinylhexyl isothiocyanate(6-HITC)による解毒酵素(グルタチオン S-トランスフェラーゼ)誘導において、各種GSTアイソザイムのうち、GST-P1のみNrf2及びKeap1の過剰発現の影響をほとんど受けないことを明らかにし、さらに細胞内タンパク質代謝に重要な役割を果たすプロテアソームの関与を示唆する結果を得た。
腸管上皮細胞における解毒酵素遺伝子発現機構の解析:Caco-2細胞を用いてワサビに含まれる機能性食品因子6-HITCによる消化管での解毒酵素発現誘導機構について検討した。その結果、分化Caco-2細胞において抗酸化酵素であるヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)の発現が、Nrf2の核への集積と相関することを見いだし、6-HITCはNrf2を介してHO-1発現を誘導していると考えられた。また、未分化細胞でのHO-1の発現が、分化細胞に比べて、遅いシグナル経路により誘導されていることが判明した。この結果から、6-HITCに対するCaco-2の細胞の応答性は、分化程度により異なっていることが予想された。アクチン細胞骨格形成は分化、未分化細胞で異なっていると考えられ、6-HITCがアクチン細胞骨格形成に影響するのであれば、その応答性は異なると考えられる。今後、6-HITCがアクチン細胞骨格あるいはアクチン細胞骨格形成に与える影響についても検討する必要がある。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
森光 康次郎 | お茶の水女子大学 | 生活科学部 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2003 - 2005
【配分額】14,800千円 (直接経費: 14,800千円)