バイオマス系繊維最外表面の化学修飾による被服用繊維適性の開発
【研究分野】環境農学
【研究キーワード】
バイオマス / セルロース / 植物系繊維資源 / 表面処理 / KESシステム / 風合い特性 / 角質化 / TEMPO酸化 / 衣料用繊維
【研究成果の概要】
植物系繊維資源の被服用繊維としての新たな適性を開発することを目的として、その最外表面の選択的酸化処理を試みた。幾つかの酸化処理の中で、1級水酸基の選択的酸化剤として知られているTEMPO を使用し、極めて軽度に酸化することによって、綿布に麻に似た風合いを付与することが出来た。これはpH9.5から10.5という弱アルカリ性下で反応させることで、綿繊維の膨潤を抑えた条件で繊維表面に選択的に親水性のカルボキシル基を導入することができたことによるといえる。しかし、現状では処理による布の強度低下を無視することはできず、処理条件の選択などにより一層の低減を図ることが必要である。なお、麻布および麻・綿混紡布についても同様の酸化処理を行い、これらの布の風合いに及ぼす影響について、綿布と比較検討を行った。
【研究代表者】