イネのファイトアレキシン生産制御系におけるサイトカイニンとジャスモン酸の相互作用
【研究分野】生物有機化学
【研究キーワード】
イネ / 病害抵抗性 / ファイトアレキシン / サイトカイニン / ジャスモン酸 / シグナル伝達 / ゲノム編集 / 環境保全型病害抵抗性制御技術 / いもち病菌 / イソペンテニル基転位酵素 / CRISPR/Cas9 / 環境調和型農林水産 / 植物の病害抵抗性 / 植物ホルモン
【研究成果の概要】
本研究では、イネの病害抵抗性反応の制御に関与する2種の植物ホルモンであるサイトカイニン(CK)とジャスモン酸(JA)の相互作用を解明することを目的とした。イネにおいて、病原菌感染等のストレスにより誘導されるCK生合成の鍵遺伝子を同定するとともに、JA生合成変異体cpm2を用いたゲノム編集によりCK欠損変異体や CK・JA二重欠損変異体を作製した。さらに、これらの変異体を用いて、イネの病害抵抗性の制御にCKとJAが協調的に作用していることを明らかにした。また、イネにおけるファイトアレキシン生産などの病害抵抗性が暗黒下で抑制されることを示すとともにこの抑制がショ糖の外生投与で回復することも示した。
【研究の社会的意義】
イネにおいて、ファイトアレキシン生産などの病害抵抗性反応の制御にジャスモン酸(JA)やサイトカイニン(CK)などの植物ホルモンが関与することが示唆されていたが、その詳細は不明であった。本研究では、JA生合成変異体であるcpm2を用いたゲノム編集によりCK欠損変異体やCK・JA二重欠損変異体を作製し、それらの変異体を用いて、JAとCKがイネの病害抵抗性の制御において協調的に機能していることを実証した。本研究によって得られた成果は、病害抵抗性の制御機構に新規な知見をもたらしただけでなく、植物ホルモンを用いた環境保全型の新たな病害抵抗性付与技術開発のための基盤となる知見を提供するものと考えられる。
【研究代表者】
【研究協力者】 |
岡田 憲典 | 東京大学 | 生物生産工学研究センター | 准教授 | (Kakenデータベース) |
宮本 晧司 | 帝京大学 | 理工学部 | 講師 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【配分額】4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)