作物科学研究へのパラダイムシフトを誘起するカキ属植物の研究加速化のための基盤形成
【研究キーワード】
果樹 / 遺伝子情報 / 機械学習 / 果実形状 / 遺伝子機能評価 / 倍数体
【研究成果の概要】
本研究では,カキ属植物の基礎および応用研究を加速化するために,1)大量シークエンシング技術を活用したゲノム情報と発現遺伝子情報の整備,2)機械計測と機械学習による形質評価法の開発,3)遺伝子機能評価系の開発, 4)遺伝資源の調査と収集,の4種類のサブテーマにより支えられるコモンプラットフォームを整備するものである.本年度の成果は以下の通りである.
(ゲノム情報と発現遺伝子情報の整備)昨年度に引き続いて,PacBioおよび10xGenomics社のGemCode Technologyを利用し六倍体カキのドラフトゲノムの構築を続けた.加えて,カキの甘渋性遺伝子座のシークエンス解析を進めるとともに,果実の発現情報を収集した.
(機械計測と機械学習による形質評価法の開発)昨年度に引き続いて,果実の写真からの三次元構築を行い,カキ果実のサイズと形状の三次元情報を数値化して評価する方法を検討した.本年度は特にカキ果実に存在する座や溝を評価する方法を検討した.
(遺伝子機能評価系の開発)昨年度までに開発したカキの近縁二倍体種のマメガキ(D. lotus)やアブラガキ(D. oleifera)のアグロバクテリウム法による形質転換系によって,雌雄性関連遺伝子による形質転換を行った.得られた個体の形質評価を行った.昨年度に引き続き,カキ属におけるCEN相同遺伝子のノックアウトによる,カキ属植物の早期開花系の開発を検討した.
(遺伝資源の収集と整備)本年度はCOVID19の影響のため,予定していた国外での調査は行うことが出来ず,文献調査のみを行った.
【研究代表者】