特殊なアミノ酸を用いて深海生物が硫化水素を無毒化するしくみ
【研究分野】水産学一般
【研究キーワード】
適応 / 特殊環境 / 深海 / 熱水噴出域 / 硫化水素 / 生理学 / 共生 / 無脊椎動物
【研究成果の概要】
深海の熱水噴出域固有生物の硫化水素の毒性に対する適応機構を、アミノ酸の一種ヒポタウリンを手がかりとして解明を試みた。ヒポタウリンはタウリンの前駆体であるが、硫化水素と結合して無毒なチオタウリンとなることができ、その合成機構は適応の鍵となる。本研究では、シチヨウシンカイヒバリガイより海産無脊椎動物で初めてヒポタウリンの合成経路を解明し、それらの遺伝子が飼育環境中の硫化物濃度にかかわらず硫化物に曝される鰓で高発現していることを明らかにした。また、解明された経路を鰓のアミノ酸組成からも検証した。熱水噴出域の二枚貝類はタウリン合成経路の一部を活用することで熱水噴出域に進出したと考えられる。
【研究代表者】
【研究連携者】 |
豊原 治彦 | 京都大学 | 農学研究科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
丸山 正 | 独立行政法人海洋研究開発機構 | 海洋・極限環境生物圏領域 | プログラムディレクター | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2010-04-01 - 2014-03-31
【配分額】19,890千円 (直接経費: 15,300千円、間接経費: 4,590千円)