植物ウイルスのモレキュラータクソノミーシステムの確立のための基盤的研究
【研究分野】植物保護
【研究キーワード】
プラス鎖1本鎖RNAゲノム / モレキュラータクソノミーシステム / 分子分類 / Gpple stem grooving virus / Potato virus T / Capillovirus / Trichovirus / キュウリモザイクウイルス / 植物ウイルス / 遺伝子解析 / リンゴステムグルービングウイルス / ポテトウイルスT / ククモウイルス / キャピロウイルス
【研究成果の概要】
プラス鎖の1本鎖RNAゲノムの長形ウイルスには棒状、ひも状の2種類があり、さらに理化学的性状、生物学的性状の違いにより、棒状ウイルスにはtobravirus、furovirus、tobamovirus group等が、ひも状ウイルスにはcarlavirus、potexvirus、capilovirus、potyvirus、closterovirus group等がある。後者のひも状ウイルスのうち、carlavirus、potexvirus、potyvirus groupについては近年ウイルスゲノムRNAのcDNA cloningと塩基配列の決定等によりゲノム構造がかなり明らかになり、これらの成果の多くは従来の分類体系に反映されるようになった。しかしながらclosterovirus groupや、capilovirus groupに関してはゲノム構造に関する知見がこれまでほとんど無かった。とくにclosterovirus groupについては生物学的および理化学的性状の観点から見て多種多様な性質を持ったウイルスが分類されておりその再検討の必要なことが近年指摘されていた(Ahmd et al.,1983)。一方、capillovirus groupもclosterovirus groupから最近分離設立されたが(Milne et al.,1988:四方ら、1988:Brown,1989)、closterofirusの一部メンバーとゲノムサイズ、媒介者不明等の点で共通する性質も持っており、両ウイルスグループについては一括して分類を再構築することが必要であると考えられていた。本研究は、以上のような見解のもとに、ウイルス粒子の形態や、生物学的性状を用いた類縁関係に基づく既成の分類法から発展させて、植物ウイルスのモレキュラータクソノミーシステムの確立を目的として、新たに独自の基盤的研究を行った。その結果当初の目的通りの結果が得られた。
【研究代表者】