インテリジェント指向性進化法の創出と酵母への展開
【研究キーワード】
指向性進化法 / 酵母 / 遺伝学 / イメージング / 微生物 / 細胞分取 / 発酵
【研究成果の概要】
本研究は、2018年に研究代表者らが多分野の最先端技術を結集させて開発した独自技術であるインテリジェント画像活性細胞選抜法(Intelligent Image-Activated Cell Sorting; iIACS)[Nitta et al, Cell 175, 266 (2018)]を基盤に、従来手法よりも1000倍以上高速で深層学習を用いたリアルタイム多変量分析による指向性進化法「インテリジェント指向性進化法」を開発し、それを用いた特定の形態を持つスーパー酵母の創出を目的とする研究である。すなわち、酵母に対して形態的特徴に着目した品種改良を行うという画期的なアイディアで、これまで得られなかったような高効率な発酵特性を持つ酵母などの創出により醸造・発酵業界に貢献することを目指す。さらには、酵母の持つ幅広い物質生産性能力を鑑みると、本研究の成果により、オイル生産や創薬へも繋がり、SDGsや人類の健康に資するスーパー酵母の作出をも可能になると考えられる。
この目的に対してこれまで、インテリジェント画像活性細胞選抜法のさらなる改善と応用展開を行い、多くの成果を得られてきた。具体的には、これまでよりも高速でかつ画質の良い画像を取得できるシステムとするために、低倍率レンズで高速撮影をしながら、得られた画像をディープラーニングにより仮想的に高倍率レンズ撮影画像のように変化させる技術Deep imaging flow cytometryを開発した。この技術は高性能な「インテリジェント指向性進化法」開発に直接的に結びつく成果である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
上村 想太郎 | 東京大学 | 大学院理学系研究科(理学部) | 教授 | (Kakenデータベース) |
大矢 禎一 | 東京大学 | 大学院新領域創成科学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】45,630千円 (直接経費: 35,100千円、間接経費: 10,530千円)