三次元水素結合ネットワークに基づくナノプロトニクス材料の創製
【研究分野】無機工業材料
【研究キーワード】
メカノケミカル / プロトン / 固体酸 / 電解質 / 燃料電池 / 無機-有機 / 複合体 / メカノケミカル処理 / 硫酸塩 / リン酸塩 / ヘテロポリ酸 / グアニン / アゾール / 水素結合 / 導電率 / NMR
【研究成果の概要】
本研究では、種々の硫酸水素塩とリンタングステン酸(WAP)やケイタングステン酸(WSiA)を遊星型ボールミルを用いて複合化し、複合体の導電率の温度・組成依存性を系統的に調べた。CsHSO_4-WPA系と同様、KHSO_4-WAP系とNH_4HSO_4-WPA系では、硫酸水素塩含量が90mol%付近で導電率の極大が認められた。ミリング処理によって、WPAのプロトンの一部が一価カチオンによって置換され、ヘテロポリ酸の面間隔が小さくなっていることや、硫酸水素アニオンとヘテロポリ酸の間に新たな水素結合が形成されていることがわかった。導電率の対数値とH^^1 MAS NMRスペクトルのケミカルシフトから求めた水素結合距離の間に良好な相関を確認した。また50H_4SiW_12O_40・50CsHSO_4複合体をポリベンズイミダゾール(PBI)に混合することでPBI-50Si50Cs系コンポジット膜を作製した。シングルセル発電試験(無加湿160℃)の結果、コンポジット膜は非常に優れた発電特性を示した。これは無機固体酸複合体が分散することで、プロトンのホッピングが容易になったためと考えられる。
【研究代表者】