膜タンパク質の高効率立体構造解析をめざした発現系作成から結晶化までのシステム構築
【研究分野】生物分子科学
【研究キーワード】
membrane protein / Thermus thermophilus / Aeropyrum pernix / high-throughput expression / structural genomics
【研究成果の概要】
平成18年度は、平成17年度に引き続き原核生物の膜タンパク質を大腸菌を宿主として発現させる系について検討する一方で、新たに真核生物の膜タンパク質を酵母を宿主として発現させる系について検討した。原核生物の膜タンパク質については、好熱細菌Thermus thermophilusと好熱古細菌Aeropyrum pernix岳の膜タンパク質、各53個、計106個について、pBAD(araBADプロモーター、Invitrogen)とpET-Mistic(T7プロモーター、枯草菌Bacillus subtilis由来の4回膜貫通型膜タンパク質Mistic(Roosild et al.,2005)との融合タンパク質発現ベクター、Novagen製品を改変)とに組み込むことを計画したが、一部の膜タンパク質遺伝子のベクターへの導入に難航し、結局pBADベクターに27個の膜タンパク質遺伝子を組み込み、その発現確認実験を行った。その結果、Flagタグ抗体を用いたWestern blotで、27個のうち15個の膜タンパク質について発現が確認された。特に、複数の輸送体膜タンパク質の発現量が非常に高いことが示され、結晶化用試料の調製が可能になった。真核生物の膜タンパク質については、ヒト、カイコガ、線虫、シロイヌナズナ、酵母の膜タンパク質、約50個を対象とした。膜タンパク質発現量の確認を効率のよく行うため、[α-mating factorのシグナル配列]-[膜タンパク質]-[GFP]を酵母S.cerevisiaeで発現させるベクターを構築した。現在、上記真核生物の膜タンパク質の発現確認を進めている。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2005 - 2006
【配分額】30,550千円 (直接経費: 23,500千円、間接経費: 7,050千円)