外生菌根菌を利用した育苗法・造林法の開発
【研究分野】林学
【研究キーワード】
外生菌根菌 / 共生機能 / 14Cトレーサー実験 / フタバガキ科樹木 / 接種源 / 土壌改良資材 / 繁殖 / マイクロサテライト(SSR)マーカー / アカマツ / フタバガキ科 / コツブタケ / 外生菌根菌接種源 / 母樹 / 培養土 / チチアワタケ / ハナイグチ / カラマツ林 / ISSRマーカー / 繁殖様式 / ジェネット
【研究成果の概要】
三年間の研究で、基礎的研究では、外生菌根菌の共生機能および繁殖に関して新たな知見を多数得ることが出来た。また、接種方法開発研究では、菌根木および菌根苗培土を接種源とした方法の可能性を示すことが出来た。以下に主な研究成果を示す。
(1)外生菌根菌培養菌糸と宿主菌による平箱人工菌根形成系を導入し、様々な外生菌根共生機能を実験的に明らかにした。(1)菌種ごと及び宿主樹木種ごとの成長促進作用の大きさを確定した。(2)菌根形成率、根外菌糸体の発達がともに、アンモニア態の窒素養分によって大きく促進されることが解った。(3)菌種間の競争的相互作用の実体を追跡した。(4)14C及び32Pを用いて、共生系内での養〓移動を経時的に明らかにした。(5)フタバガキ科苗に対する外生菌根菌接種による成長促進効果を確認した。
(2)DNA多型解析により、外生菌根菌の野外での繁殖特性を明らかにした。(1)外生菌根菌ハナイグチのジェネットをISSR多型解析法で決定した。(2)ハナイグチのマイクロサテライトマーカーを開発し、子実体の多型解析により菌の繁殖特性を明らかにした。(3)地下部の菌根及び菌糸のマイクロサテライト多型解析によって、地下部でのハナイグチ菌の繁殖特性を明らかにした。(4)ITS領域の多型解析により、ハナイグチ子実体直下の外生菌根菌群集構造を明らかにした。(5)子実体発生調査とDNA多型解析によって、一次遷移地富士山火山荒厚での外生菌根菌の繁殖特性を明らかにした。
(3)菌根を形成している苗を利用したフタバガキ科樹木への接種方法を検討した。(1)菌の種、土壌環境、非菌根苗の植栽密度による菌根母樹からの菌根菌の広がりや非菌根菌への感染への影響を明らかにした。(2)菌根母樹として適した樹種を検討した。(3)菌根苗を栽培した土壌を接種源として用いても接種が可能であり、菌根苗栽培時に適当な土壌改良資材を混入することにより、接種効率が高まることを明らかにした。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
奈良 一秀 | 東京大学 | アジア生物資源環境研究センター | 助手 | (Kakenデータベース) |
小島 克己 | 東京大学 | アジア生物資源環境研究センター | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1998 - 2000
【配分額】13,000千円 (直接経費: 13,000千円)