日本・韓国の公共政策・政策過程に関する体系的比較研究
【研究分野】政治学
【研究キーワード】
韓国政治 / 市民社会 / 政治過程 / 公共政策 / 比較政治 / 政治変動 / 日本政治 / 東アジア / 政策過程 / 日韓比較 / 共同研究
【研究成果の概要】
本研究は、1990年代以降の、日韓の公共政策および政策過程の差異と共通性の摘出、その説明に関する各分野および一般モデルの提出、またその成果の公刊を目的とした。共同研究者による研究成果として、金融政策、マクロ経済政策、通貨政策、通商政策、言語政策、地方自治政策、外交・安全保障政策などについて、各自は比較および各国研究を発表した。
他方、本研究成果の特徴として、こうした個別政策以外に、こうした政策過程を取り巻く社会構造をより包括的に分析し、その日韓比較を発表したことが挙げられる。他の研究資金にも依拠しつつ、日韓だけでなく米独、中国、ロシア、トルコといった各国における市民社会の基礎的な団体構造の把握を目指す団体調査とその分析も並行して行った。政策ネットワーク調査がいわば最も重要な政策アクターに着目するのに対して、団体基礎構造調査は、市民社会に存在するすべての団体、組合、クラブ、結社に着目する。この調査によって、こうした基礎団体レベルでの、各種組織の構成割合、リソース、行動様式、対他アクター関係、政治化の度合などが比較政治的に明らかになり、これはいわば政策過程や政策出力への説明変数となりうる。
韓国側の協力者を含めた共同研究集団の3年に亘る本研究(およびそれ以前から継続した研究、およびそれに続く研究)によって、上記目的にそった実証調査が遂行され、その成果を500頁近い学術書の形で発表することができた(辻中豊・廉載鎬編著『現代韓国の市民社会・利益団体-日韓比較による体制移行の研究』木鐸社、2004年、490頁)。
さらに、同期間に中国およびロシアでも同じ枠組みを用いて同種の調査を実施(他の研究資金を得た)したため、現時点では、それらと日本との比較を行いそのコードブックを資料として発表することとした。
【研究代表者】