衛星画像データによる水稲品種判別に基づく米の反収量推定
【研究分野】生物環境
【研究キーワード】
リモートセンシング / 複数角分光反射特性 / 水稲キャノピー / 水稲品種 / 水稲個体群 / 方向性反射特性 / ステレオ写真 / 解析写真測量 / 品種判別 / 反収量推定 / 水稲 / BDRF / LAI
【研究成果の概要】
本研究では水稲を研究対象にして、水稲個体群の3次元構造指標を介して、水稲品種別の水稲個体群からの分光反射特性と水稲のバイオマス量や米の反収量とを関係付け、分光反射データである衛星リモートセンシング画像データから、水稲品種を判別し、米の反収量を推定する一般式を得ることを最終目的とする。
本研究では、14品種の国内外の水稲(ジャポニカ米[短粒種;こしひかり、亀の尾等]、インディカ米[長粒種;カルローズ等]をの国内外の品種を農林水産省農業工学研究所の実験圃場で出穂直後まで栽培し、立体写真解析による草冠の構造指標の測定と草冠からの複数角分光反射係数(主反射面での後方散乱、前方散乱の7方向(±45度、±30度、±15度、0度)と主反射面と直交する鉛直平面での7方向(主反射面と同様)の測定角度から)を測定した。
そして、複数角分光反射特性の違いに品種差が反映しているかどうかについて、緑バンド(550nm〜560nm)、赤バンド(675nm〜685nm)、近赤外バンド(745nm〜749nm)における分光反射係数を求め、水稲2品種の3バンドの複数角分光反射特性係数の平均値の間で、平均値の差の検定を行った。
その結果、有意な差が認められた水稲2品種の組み合わせの数は、単に鉛直下向き反射係数データを用いた場合よりも、斜め方向から測定した反射率係数データを用いた場合の方が多く、本研究の測定結果から、出穂直前で同一生育段階における水稲の品種は、斜め方向からの分光反射特性をも利用することにより、鉛直真下方向の分光反射特性よりも判別がより容易になるものと結論づけられた。また、草冠の鉛直立体写真解析による草冠構造指標の解析については、葉同士があまりに複雑に重なり合っているために、単純な画像処理アルゴリズムでは構造指標測定は不可能で、より高度な画像処理アルゴリズムの開発が必要だと結論づけられた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
堀川 直紀 | 国際農林水産業研究センター | 生産利用部 | 主任研究員 |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1997 - 1999
【配分額】3,800千円 (直接経費: 3,800千円)