バイオ・インベントリー(現存生物量の棚卸し)
【研究分野】林学
【研究キーワード】
バイオ / インベントリー / エキスパートシステム / 森林調査システム / バイオマス利用 / ランドサットデータ / リモートセンシング / 簡易空中写真
【研究成果の概要】
1.森林バイオマスの調査システムの構築 (南雲,箕輪)
バイオ・インベントリーをめぐる科学技術,社会条件を分析しその方向づけを求めた。その結果、データの収集から、情報処理,加工を経て、資源管理の各システムからなるべきことを提起した。将来のこのようなトータルシステムの中枢をなすエキスパートシステムを提案した。このシステムでは、森林の主要な構造因子である幹曲線,個体の生長曲線,樹高曲線について相対化を施したため、汎用性の高いシステムとすることができた。
2.バイオマスの利用計画の策定 (天野,末田)
岐阜県の捐斐川流域を対象に、人工林の林地残材と広葉樹の2種類のバイオマス資源の利用可能性の評価を行った。前者については、伐採可能林地の分布,地利などの諸因子から、町村単位にバイオマスの生産可能量を、高,中,低の3水準にランク付けすることができた。後者については、広葉樹林の分布,樹種構成,地利などの諸因子から、そのバイオマスの利用可能量を同様に3水準に分けることができた。
3.リモート・センシングによるバイオマスの推定のための技術の開発(内藤,小林)
ランドサットのMSSをパソコンを用いて解析するために必要なアプリケイションソフトウェアを開発した。BASICを基本言語とし、データの読み込みなどには、マシン語を活用し、処理時間の大幅の短縮を図り、生物資源調査のためのMSSデータの日常的な利用を可能にした。また、ラジコンヘリコプターと非測定用カメラを利用し超低空からの簡易な空中写真撮影装置を提案した。この写真を使って、森林バイオマスの賦存単位である単木の位置,大きさなどの諸因子の判読実験を行った。この結果、いずれの因子も地上調査並の精度で判読できた。
【研究代表者】