抗抑制因子VanC21によるトランスポゾン活性化機構の遺伝学的解析
【研究キーワード】
トランスポゾン / DNAメチル化 / エピジェネティクス / 遺伝学
【研究成果の概要】
トランスポゾン(TE)はゲノム中に散在する転移性因子で、ゲノム進化に寄与してきた一方、遺伝子破壊などの潜在的な危険性を持つ。植物ではその多くがエピジェネティックに不活性化されているが、いくつかのTEは転移活性を維持していることが知られる。転移能を持つシロイヌナズナのDNA型TE、VANDAL21は、転移酵素に加えて脱抑制因子VANC21をコードする。VANC21による脱抑制は配列特異的であり、VANDAL21ファミリーのTEのみが脱メチル化される。本研究は、VANC21が持つ配列特異的な脱抑制機構の解明を目指す。
前年度に引き続き、脱抑制に関わる因子の順遺伝学的スクリーニングを進め、多数の変異体候補を得た。また、脱抑制機構の進化を明らかにするために、共同研究によりシロイヌナズナのVANDALファミリーの脱抑制機構を網羅的に明らかにした。特にVANDALファミリーの祖先形と考えられるVANDAL1について、脱抑制能を持つVANC1を新たに同定し、その分子機能を明らかにするとともに、VANDALファミリーのTEがゲノムで増殖する際の、脱抑制機構の重要性を明らかにした。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)